本日の都響の定期はインバル指揮によるブルックナーの8番でした
珍しいことにノヴァーク版による第1稿を演奏しました
インバルはこの版にこだわっているようです
ブルックナーは第8番を作曲するに当たってかなり意欲的で
自信作だったのに、この初演を依頼したヘルマン・レヴィに
脱毛を断られてしまった
そのため大幅に改訂するのですが、インバルはオリジナル版の方を
尊重するのですね
因みにワタシが日頃愛聴しているのは(といっても年に1回くらい)
カラヤン/ベルリンフィルよるCDで、これはハース版です
技巧的には完璧で、非の打ち所の無い人工美の極致
多分インバルはこれに対する反論のつもりなのだと思います
多少の破綻はあってもブルックナーの意欲を汲むべきだという
本日の都響の演奏は、まさしくそのインバルの意図を
具現化したものであると言えましょう
日頃聞きなれたブル8とはかなり趣の異なる
だけれども快演でした(血湧き肉踊ると言うか)
ブルックナーは生で聴くに限るのですが
本日はその意を強くしました